「ひとり」という言葉をどのように表記しますか?
「ひとり」という部分にどんな文字を使うかによって、文章のニュアンスが変わることがありますね。
また、日常的な書き方として、漢数字(一二三四五…)と算用数字(12345…)の使い分けについても悩む方が多いのではないでしょうか。
この記事では、「ひとり」という言葉を中心に漢数字と算用数字の違いや使い分けのポイントをわかりやすい例とともにご紹介します。
どんな場面でどちらの数字を使うべきか、明確なガイドラインはありませんが、数字の使い方に迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
一人・1人・独り・ひとりの違いと使い分け
「ひとり」という部分に入れる文字で使い方の違いや例えをみていきましょう。
一人:漢数字の「一」
「一人」という言葉は、人の数を表す数字として単純に示す場面で用いられます。
慣用句や決まり文句などを書く時や文を縦に書くとき、「一人旅」や「一人芝居」「一人っ子」のように、特定の表現で書く際には「一人」と漢数字を使うのが一般的です。
1人:算用数字(アラビア数字)の「1」
「1人」という表現は、人数をはっきり示すときに使います。
たとえば、「5人の中から1人が選ばれた」とか、「2人は出張中で、1人は休暇中」というふうに数字を使って説明します。
パソコン入力や文章で横書きの場合に人数を書くときは、読みやすさのためにも算用数字を使います。
独り:「独」という漢字を使う
「独り」という言葉は、一人でいることや自分だけで何かをすることを表します。
一人でいる状態といえば、孤独や独身などが思い浮かびますね。
自分一人で行動することは、独立や独力といった言葉で表されることもあります。
さらに、「独り」には孤独や独断、独占、単独などの意味も含まれるので、独り言を言ったり、一人で何かを成し遂げたり、自立することも「独り」と表現されることがあります。
ひとり:ひらがなを使う
「ひとり」という言葉は、「一人」や「独り」と同じ意味ですが、文章を読みやすくしたり、優しい雰囲気を出すために使われることがよくあります。
たとえば、「一人一人」と書くより「一人ひとり」とひらがなで書いた方が、読みやすく優しく感じますよね。
「ひとり」「一人」「独り」の言葉の意味合い
「ひとり」「一人」「独り」の言葉にはそれぞれ少し違った意味があります。
例えば「ひとりぐらし」という言葉に当てはめるとき
「一人暮らし」
「一人暮らし」という言葉は、一人で住んでいるという単純な事実を表します。これは数字で人数を表しているだけです。
「独り暮らし」
次に、「独り暮らし」はちょっと孤独な感じがするかもしれませんが、これは自分でしっかりと自立して生活しているという意味もあります。
「ひとり暮らし」
そして、「ひとり暮らし」という表現は、それほど孤独を感じさせず、ただの数字でもなく、なんとなく穏やかで落ち着いた生活を連想させるようにあえて「ひとり」とひらがなで表現することもあります。
「ひとりひとり」や「ひとつひとつ」の場合は?
「ひとりひとり」や「ひとつひとつ」は
1人1人
一人ひとり
1つ1つ
一つひとつ
という書き方がありますが、並べて見た印象はどうでしょうか。
この場合それぞれ、どれを使っても意味の違いはありませんし間違いでもありません。
「一人ひとり」や「一つひとつ」のように、漢数字とひらがなを組み合わせて使う表現は、読みやすさを重視しています。
例えば、「一人ひとり」では「一人」と「ひとり」、「一つひとつ」は「一つ」と「ひとつ」を使って見た目が分かりやすくなっています。
「ひとりひとり」や「ひとつひとつ」はどの書き方でも間違いではないので、全体の中で特別な「ひとつ」や「ひとり」を指すときは、「一人ひとり」や「一つひとつ」とうしろの言葉をひらがなで書けば見やすいと意識しておくといいですね。
漢数字と算用数字(アラビア数字)の使い分けのポイント
「ひとり」を表す以外でも、漢数字と算用数字のどちらを使うのか迷う場面があるのでポイントをみていきましょう。
簡単に言うと数字を他の数字と交換できるかどうかで使い分けます。
算用数字(アラビア数字)を使う
数字を変えても使える場合
- 数量
- 日付
- 数字を並べる場合
- 私の家は3階です。
- 今月は2日休みました。
- 旅行の予定は5日です。
漢数字を使う
別の数字に置き換えられない言葉
- ことわざ・慣用句
- 一気に仕上げましょう。
- 一心不乱に取り組む
- 一筆のコメントを添えた。

「金一封」などもありますね
元号の書き方
横書きの場合は和暦・西暦共に使えますが、どちらかに統一して書くことが大事です。
ただ、「令和1年」の場合は「令和元年」と書きます。