レターパックの宛名欄に印字されている「様」は、個人宛ではそのまま使えて、会社や部署など団体宛では二重線で消して「御中」を添えるのが基本です。
本記事では、この敬称の使い分けに加えて、返信用を同封するときの「行」との関係、ライトとプラスの違い、迷いやすいNG例と直し方まで、すぐ実践できる手順で整理します。
レターパックの基本仕様（ライト／プラスの選び方）
レターパックはどちらの種類も「A4サイズ相当・4kg以内」が共通です。
ライトは厚さ3cm以内でポスト投かん、プラスは対面配達で厚さの制限はありません（いずれも信書を送れます）。
迷ったら「薄くて軽い→ライト」「厚みがある・手渡しで安心→プラス」を目安にすると選びやすくなります。
会社宛てに送るときの具体手順
会社や部署宛てにレターパックを出すときの基本手順を、迷いやすいポイントから順番にまとめます。
二重線の入れ方と「御中」を添える位置
レターパックの宛名欄には「様」があらかじめ印字されているので会社や部署など団体宛てにする場合は、この「様」を細い二重線でていねいに抹消し、右横か直下に「御中」と手書きで添えます。
文字は読みやすい大きさで、にじみにくい油性ボールペンが無難です。
二重線は斜線でも水平線でもかまいませんが、重ね塗りで真っ黒にせず、もとの文字が識別できる程度にすっと引くのがコツです。
社名＋部署の並べ方と例
基本は上から「会社名→部署名→敬称」の順でまとめます。
たとえば「株式会社〇〇 △△部 御中」。部署が複数にまたがるときは主担当の部署を優先し、長くなる場合は行を分けて読みやすさを確保します。
ビル名やフロアは住所欄へ、内線番号や担当コードは備考欄や別紙へ分けると宛名がすっきりします。
- 部署名の直後に「様」を付けないこと
- 団体宛ては「御中」で統一する
上記を意識すると判断がぶれません。
担当者名が分かる場合の「気付（きづけ）」の書き方
担当者個人に確実に届かせたいときは「会社名＋部署＋氏名様」と個人宛にするのがもっとも確実です
例：株式会社〇〇 △△部 佐藤太郎 様
会社として受け取り、内部で担当者へ回してほしい場合は団体宛て「御中」とし、別行に「（ご担当：佐藤様）」など補足を入れる方法もあります。
「気付（きづけ）」は、建物の管理者や仮住まい先など「ある住所にいる別の人宛て」に送るときに用いるのが本来の使い方です。
会社内での通常のやり取りでは多用せず、社内ルールや相手の指示がある場合だけ使うと誤解がありません。
レターパック「様」の記載は消すべきか
レターパックの宛名欄には、受取人名の後ろに使う敬称として「様」があらかじめ印字されています。個人宛であればそのまま使用し、会社や部署など団体宛にする場合は、この印字の「様」を二重線で抹消して横に「御中」と記入します。
差出人（依頼主）欄に敬称は本来不要です。差出人側にも「様」の印字がありますが、消しても残しても配達に影響はありません。ビジネス文書として体裁を整えたい場合は、二重線で消しておくとよいでしょう。
返信用レターパックの書き方テンプレ
相手に返送してもらうための返信用レターパックは、受け取った側がそのまま使えるように、宛名と敬称の流れを整えて同封します。ここでは最短で迷わない型をまとめます。
自分を宛名にする書き方
返信用の宛名は自分の住所氏名を記し、氏名の後に「行」を付けます（例：山田太郎 行）。
相手が返送するときに「行」を二重線で消し、個人宛なら「様」、会社や部署宛てなら「御中」へ書き換えるのが一般的な流れです。
相手の手間を減らすため、宛名や差出人欄は読みやすい字で事前に記入しておきます。
同封時の折り方・入れ方の注意
返信用は二つ折りか三つ折りでかまいませんが、宛名欄が折り目で読みにくくならないよう折る位置を調整します。
追跡番号や差出人情報が隠れない向きで、送付物に挟んでズレ止めすると紛失防止になります。
説明書きが必要なら、同封メモに「こちらをご利用ください」「宛名の『行』は返送時に『様／御中』へご変更ください」と短く添えるとスムーズです。
宛名の書き方の基本（横書き／住所→氏名の順）
レターパックは横書き用に線が入っています。
ここでは横書きを前提に、見やすく間違いのない配置と順序のコツをまとめます。封筒一般では縦書きの例もありますが、レターパックでは横書きに統一してください。
横書きで崩れない配置のコツ
レターパックは横書きのみです。
左上から順に「住所→会社名・部署→氏名（敬称）」の流れを意識すると読みやすくなります。
行間は少し広めに取り、文字の大きさは「住所＜会社名・部署＜氏名（敬称）」の順にすると、誰宛てかが一目で伝わります。番地や建物名は省略せず、数字ははっきりと区切ります。
にじみにくい油性ボールペンで、ゆっくり丁寧に書くと見栄えが整います。
住所・建物名・部屋番号の順序と省略しないポイント
都道府県→市区町村→丁目・番地→建物名→階・部屋番号の順で、公式書類に記載される形に合わせて書きます。
建物名や号室を省くと不在や誤配のもとになるため、省略せず丁寧に。会社の場合は「本社」「第2ビル」「物流センター」など拠点名も明記すると社内の仕分けがスムーズです。
マンション名の英字や長いカナ名は、読みやすいように途中で軽くスペースを入れる、数字を全角でそろえるなど、ぱっと見で判別できる工夫が効果的です。
やりがちなNGと正しい訂正方法
間違いやすいのは敬称の選び方と、うっかりミスの訂正方法です。よくある失敗と、その場で整えるコツを先に知っておくと安心です。
個人宛に「御中」／団体宛に「様」はNG
個人宛ては「様」、会社・部署など団体宛ては「御中」が基本です。
個人名と団体名を同じ行に並べて「御中」「様」を両方付けると二重敬称になってしまうので、
- 個人へ届けたいなら「会社名＋部署＋氏名様」
- 団体で受け取ってほしいなら「会社名＋部署 御中」
と宛て方の目的をはっきりさせましょう。迷ったら「誰が開封・受領する前提か」を基準に決めると整います。
印字の「様」を消し忘れる／位置が不自然
レターパックの「様」をそのままにして団体宛で出すと違和感が出ます。
二重線で消し、横に「御中」を添えるだけで印象がよくなります。線を太く塗りつぶすと不格好になりやすいので、細い二本線でさっと引くのがコツです。
書き直しが増えると見栄えが崩れるため、先に配置を決めてから清書すると失敗が減ります。
ボールペン・油性ペン以外で記入してにじむ
水性ペンやゲルインクは、配送中の湿気や擦れでにじむことがあるので油性ボールペン（黒または濃紺）を基本にし、細字でゆっくり書けば線が整います。
修正テープや修正液は剥がれやすく、機械の読み取りを妨げることもあるため、訂正は二重線と追記で対処しましょう。
レターパックの「様」の書き方と使い分けをおさえた実務向けまとめ
個人宛は「様」、会社や部署など団体宛は「御中」。
レターパックの宛名欄に印字された「様」は、団体宛では二重線で消して「御中」を添えれば整います。
返信用を同封するときは自分の氏名の後に「行」を付け、相手が返送時に「様／御中」へ書き換える流れが一般的です。
ライトは厚さ3cm以内で投かん、プラスは対面配達で厚さ制限なしと覚えると選びやすくなります。
宛名は読みやすい配置と順序を守り、迷ったときは「誰が受け取り・開封する前提か」で敬称を決めると失敗が減ります。
最後に、会社名や部署名の正式表記、住所・建物名・部屋番号の抜け漏れがないかを出す前にもう一度だけ確認すると完璧です。