近年、多様なデザインと色彩でカジュアルな祝儀袋が流行しています。
これらの祝儀袋は、これまでのものと異なりファッショナブルなパターンや鮮やかなカラーが特徴です。
日常的な小物のようにも見えるこれらの祝儀袋を、祝事で適切に使用するためには、正確な記入方法を理解し守ることが重要です。
書き方について悩んだら
カジュアルな祝儀袋は、その魅力的なデザインから選ぶ楽しみがありますが、記入の際にはいくつか注意点があります。
特に、装飾が豊富な祝儀袋の場合、どこに名前を書くべきかが問題となりますし、親しい間柄であっても名前を省略せずに記入することが大切です。
これは、後に誰からの贈り物かを確認する際に必要となるためです。
名前を書く位置
名前を書く位置は「お祝い」や「寿」などと書かれている部分の直下やその周辺に記入します。
この位置は、祝儀袋の下半分に配置すると見た目のバランスが良くなります。
名前の大きさ
名前の大きさは、目立つように見出しと同じかそれ以上のサイズで書きます。
デザインが多く、名前の記入スペースが限られている場合には、中袋や裏面を利用するのも一つの方法です。
祝儀袋に書く筆記用具
筆記用具は、カジュアルなデザインであってもボールペンは避け、毛筆や筆ペン、太めのマーカーを使用することが望ましいです。
お札を入れる際の注意点
お札を祝儀袋に入れる際には、その向きに注意を払う必要があります。
顔の描かれた面を外向きにし、肖像画が上に来るように配置します。
カジュアルな祝儀袋の場合、内袋が付属していないこともありますので、家庭で用意したコピー用紙などの清潔な紙を内袋代わりに使用することも可能です。
水引きの意味と選び方
祝儀袋に付属する水引きは、その種類によって使用する場面が異なりそれぞれに特有の意味があります。
結び切り
一度の結びで解けないことから、一生に一度のイベントに適しています。
あわじ結び
その装飾性から結婚などの喜ばしい時に使用されることが多いです。
蝶結び
何度あっても喜ばしいことに使われるため、出産や入学祝いなどに適しています。
これらの水引きの意味を理解し、適切な祝儀袋を選ぶことが重要です。
金額の記載方法
祝儀袋に記載する金額には、特定の形式が求められることが一般的です。
伝統的には旧字体で金額を記載するのが正式とされていますが、カジュアルな祝儀袋の場合、略式の数字を使用することも増えています。
重要なのは、金額が一目で明確にわかり、不正が行いにくい形で記載されることです。
例えば、伝統的な「金伍仟圓」の代わりに「金5,000円」と書くことがあるものの、大きな金額の場合には、旧字体の使用が推奨されることがあります。
連名での祝儀袋の扱い
複数人で共同で祝儀を用意する場合、名前の記入には特定のエチケットが必要です。
夫婦や家族、友人同士でお祝いをする際には、全員の名前を適切に配置し、誰からの贈り物であるかが一目で理解できるよう配慮することが求められます。
夫婦の場合は夫の名前を右側に、妻の名前を左側に記入します。
友人同士や職場の同僚の場合は、社会的な地位や年齢を考慮して右から左へと名前を記入します。
4人以上で祝儀を包む場合には、「〇〇一同」として一人の名前を中心にし、他の参加者は補足文書に記載する方法が一般的です。
中袋の書き方
カジュアルな祝儀袋を使用する際でも、中袋の取り扱いには注意が必要です。
中袋には外袋と同じ筆記用具を使用して、名前や住所を丁寧に記入しますが、印刷された中袋がある場合は、指定された欄に従って記入します。
無地の中袋の場合、通常は左下に名前と住所を書き、金額の記載も、外袋に記載する際と同様に旧字体で行うことが望ましいとされています。
祝儀袋を渡す際のマナー
祝儀袋を渡す際には、裸で持参するのは避け、適切な袱紗(ふくさ)や包装を使用することがマナーです。
袱紗を使用する場合は、祝儀袋を袱紗に包み、相手が見やすいように表書きが前面にくるように配置し、丁寧に手渡します。
これにより、祝儀袋が汚れたり損傷することを防ぎながら、尊重と敬意を示すことができます。
袱紗(ふくさ)の種類と選び方
袱紗にはさまざまなデザインがあり、祝儀袋の種類やお祝いのシーンに合わせて選ぶことが大切です。
フォーマルな場では伝統的な柄の袱紗がふさわしいのですが、カジュアルなお祝いでは明るい色や楽しいデザインの袱紗も選べます。
例えば、子供のお祝いの際は、キャラクターが描かれた袱紗を使用することで喜ばれることが多いです。
袱紗の選択においては、その日のイベントやお祝いの内容に適したものを選ぶことで、祝儀袋全体の印象が向上し、より心のこもった贈り物となります。
カジュアル祝儀袋でもマナーを守る!書き方の基本ガイドのまとめ
このように、カジュアルな祝儀袋には様々な魅力がありますが、その使い方や書き方には一定のルールがあります。
名前の大きさ:目立つように「お祝い」や「寿」と同じかそれ以上のサイズ祝儀袋に書く筆記用具:ボールペンは避け、毛筆や筆ペン、太めのマーカーを使う
水引:一度の結びで解けない「結び切り」は一生に一度のイベントに最適。
さらに、適切な袱紗など、細かい部分にも配慮することが、より良い祝儀の形となります。
カジュアルながらも格式を感じさせる祝儀袋の選び方や使い方をマスターすることで、どんなお祝いの場にも適応できるようになり、さまざまなシチュエーションでのマナーやエチケットが身につくでしょう。
最後に、これらのポイントを心掛けることにより、贈り物としての祝儀袋がより一層特別なものになり、受け取る側にとっても贈る側にとっても記憶に残る素晴らしいギフトとなるはずです。
カジュアルながらも心のこもった祝儀袋を、これからも大切にしていきましょう。